自分でポリッシャーを使って車を磨きたい方へおすすめの道具
私たちキーパープロショップは洗車とカーコーティングのプロとしての仕事をしていますのでお客様に「この道具を使ってこのようにキレイにしてください」という磨き作業のレッスンはしていません。
でも、どうしても自分でキレイにしてみたい。という方は中にはいらっしゃいます。
海外にお住まいでプロショップに行きたくても行けない方もいますし(^^)
そんな方の為に車磨きについてご説明します。
とはいえ、一言で説明する事は非常に難しい。
理論が分かった上で実践しなければ取り返しのつかない事になりますし。
近くに信頼できる専門店があるのならそこのお店に任せるのが一番です。キレイにリーズナブルに仕上がります。自分でやって失敗してしまうと取り返しのつかない事になります。「やめておけばよかった・・・(涙)」という事にならないように前置きしておきます。
失敗するリスクを踏まえた上で、近くに車をキレイにしてくれるお店が無いという方に出来るだけ失敗しない道具選びをお話します。
そもそも、なぜポリッシャーで磨くの?
ポリッシャーはプロの象徴的なイメージがあるので「ポリッシャーで磨くと一発でキレイになる」と思いがちですが、塗装の状態によって磨かなくても十分満足のいく美しさを得る事は出来ます。この黄色いスポンジとコンパウンドやケミカルだけで車は十分キレイになります。これだけではキレイにならない塗装がある場合やもっとキレイにしたい場合はポリッシャーを使います。ポリッシャーで磨く事の一番のメリットは洗車キズや水シミを消えたように見せる事が出来きる事。新車のようにつるんとした塗装に見せる事が出来る事です。ポリッシャーはコーティング剤を塗りこむ事にも使えます。
磨く目的を持たずにポリッシャーで磨こうとするとただ汚れをこね回し、塗装面をグチャグチャにするだけの結果になってしまいます。磨く前にもきちんとした処理を施す必要があるのでご説明します。
鉄粉やピッチ、虫がついていれば事前に取りましょう。隙間に入り込んだ汚れも除去しておかなければスッキリとキレイに仕上がりません。
車磨きはポリッシャーだけではキレイにならない
車磨きはポリッシャーで磨けば魔法のようにキレイになると思いがちですが、そうではありません。ポリッシャーで車を磨くという事はコンパウンドで車に微細なキズをつけて、そのキズをどんどん細かくして平らにする事なのです。それを知らずにポリッシャーに羊毛のバフを付けて適当なコンパウンドで磨いたとしてもキレイになるどころかバフ目が出てギラギラと乱反射をおこします。
ではどのようにすれば、失敗しないのか。
それは作業工程と道具選びをよく知るというところから始まります。
作業工程は
- 洗車
- 水あか落とし、しつこい汚れの除去
- 洗車
- 水滴減らし(細部の水も乾燥させる)
- マスキング(磨かない所をマスキングテープで保護する)
- 研磨
- 脱脂(コンパウンドに含まれる油分を洗い流すor拭き取る)
- コーティング
- 乾燥
これぐらいの事をしないとキレイに仕上がりません。工程6の【研磨】がポリッシャーを使って磨く工程です。水あか落としはかなり重労働です。使用するケミカルも塗装を傷めないものをつかいます。キーパープロショップでは爆白という下地処理剤を使っています。塗装を絶対に傷めない安全なケミカルを使うのも重要。(必ず直射日光を避け、影で作業しましょう)
失敗しない扱いやすいポリッシャー
初心者が一番使いやすいポリッシャーはダブルアクションポリッシャーです。研磨能力は低いですがじっくりと時間をかけてスポンジハブを使って微粒子のコンパウンドで磨くととびっきりのツヤを出す事が出来ます。とはいえ新車以上にはなりません。新車以上に仕上げるには最後にコーティングをします。
私が使っているのは主にコンパクトツールのこの機種。
P-150N
- 電源:100V
- 回転数:3200rpm
- パッド径:123mm バフサイズ:150mm
- 重量:1.87kg
- オービットダイヤ:10mm
円盤の回転速度はトリガーボタンで調節しなければいけませんが軽量で非常に操りやすいサイズです。価格は3万円前後。
もう少しリーズナブルで回転速度を調節できるのがリョービ。
RSE-1250
価格は1万円前後。
これはさらに軽量。低重心に改造されたものも通販では売られています。そちらはノーマルに比べて研磨力が強力かつ繊細。
これらのダブルアクションポリッシャとバフを組み合わせてボディを磨きます。
バフはどんなのを使えば良いのか?
ダブルアクションポリッシャーと組み合わせるバフはスポンジバフがおススメ。ウールバフでも磨けます。より強く磨くならウールバフ。
バフにも様々なサイズ、種類、固さ、粗さがあり、一概にこれが一番といえるものはありません。塗装の状態、種類によって使い分けています。あえて、おススメするのなら、この黄色いバフ。おススメの理由はよく磨けて失敗が少ないから。スポンジの種類は色で分けられている事が多く、一般的に黄色→グレー→白の順にスポンジの目は細かくなります。
バフの種類はこのようにたくさんありますが、黄色いスポンジバフだけでも良い艶が出せます。
30cm~50cm
四方を1スパンとしてコンパウンドをバフに豆粒程度の大きさで3滴程度つけてじっくりと磨きます。
ポリッシャーは塗装面に対して垂直に当てます。
ななめ向けたりせず、コンパウンドの能力を利用して磨きます。コンパウンドが切れて来たら塗装の状態を見極めて次のスパンを磨きます。磨き足りなければ同じ作業を繰り返します。
ちなみに、このポリッシャーはシングルアクション。私はあまりスポンジとシングルアクションの組み合わせは使いません。
コンパウンドはこれを使おう
一番安全でスポンジバフ・ダブルアクションポリッシャーとの組み合わせにマッチするものは3Mの超微粒子コンパウンド【ハード・2-L5985】上の写真の黄色いパッケージです。これは仕上げ磨きに使う組み合わせですが初めて車磨きをするという方はこの組み合わせで磨いてみると良いと思います。
ポリッシャーはダブルアクションポリッシャー
ハブは黄色いスポンジハブ
コンパウンドは3Mの超微粒子コンパウンド【ハード・2-L5985】
キーパー専用のアクアポリッシュというコンパウンド(写真の右から2番目)は自己粉砕型の超高性能。ギアアクションと低反発バフを使用してダイヤモンドキーパーの前処理の研磨として使われます。他にも様々な組み合わせがありますが、磨きは奥が深いので追いかけるとどこまでも極めたくなってしまいます。どんどん道具やコンパウンドも進化しています。あるていど納得の行く艶が出たらOKにしておきましょう(^_-)
作業は必ず影で、ホコリの入らない場所で
研磨作業をする場合、作業場所の確保という事も重要です。
炎天下での作業は厳禁。砂ボコリなどの入る場所もダメです。砂がかむと逆に車にキズをつけてしまいますし、炎天下ではコンパウンドが焼き付きムラが出ます。適度な気温の場所でホコリの入らない環境で作業をしましょう。
これだけは注意しよう
どんなに安全だと言われても磨き方を間違えると、とりかえしのつかない事になってしまいます。
これだけは注意して欲しいポイントをご紹介します。
- プレスラインをまたいで磨かない
- 角は磨かない
平面を一つの区切りとして磨くことを心がけます。
一気に段差のある場所を磨こうとしてはいけません。
それは角は磨かないという注意点につながるのですが、平面でスポンジバフが塗装面に設置している時は圧力が分散されて磨かれるのですが、プレスラインの角に当たって点で磨いてしまうとコンパウンドが焼き付きを起こしてしまったり、塗装が溶けてしまったりします。
このような事が起こりうるのが塗装の磨きです。
近くにプロのお店があるなら、そちらに相談されるのが一番キレイへの近道です。
車の塗装によって磨き方は変わる
車を磨くには、まず車ありき。
車の塗装の種類や状態に応じてポリシャーやバフ、コンパウンドの組み合わせをチョイスしなければなりません。
今回ご紹介した磨き方ひとつだけで全てキレイになるというわけではありません。塗装の厚みがほとんど無い車は磨いてはいけません。新車なら脱脂、艶出し程度の磨きで十分です。
外車は国産車に比べて塗装が固いのでしっかりと磨かなければいけません。深めのキズを消すならダブルアクションポリッシャーでは弱すぎます。ギアアクションポリッシャーが必要です。羊毛バフも数種類用意しなければなりません。コンパウンドもそう。
これらの知識と経験、道具と環境が無いままに磨く事はとても危険です。
ですが、今回ご紹介した組み合わせの道具なら、極力失敗せず、磨けるはずです。
そして、磨いた後は必ずコーティングをしてください。そうしなければせっかく磨いてキレイになった塗装がまた汚れてしまいます。コーティングは美観を上げるだけでなく塗装の代わりに傷むという役割がありますから。
近くにプロショップの無い方、海外にお住まいの方。ご参考になりましたでしょうか?(笑)
実践編は次のブログでご紹介します。当店スタッフがオートオークションで落札した黒のプリウスにダイヤモンドキーパーを施工する姿を画像と動画で見てみましょう!
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この記事を書いた人
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キーパープロショップ林堂店を運営する株式会社ヤスカワの代表取締役。
サッカーと野球観戦(タイガースファン)そしてテニスをするのが大好きな3児のパパです。肩書きは社長ですが現場が大好き!いつも店舗でバリバリ働いています
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