中国内陸部の開発によって緑が少なくなり、土壌の乾燥化や、砂漠化が広がり、黄砂が季節に関係なく到来するようになってきました。
過去において一時的な問題であった黄砂は、今では日常的に発生する問題となっています。特に車に対しての影響は深刻です。
自然現象から環境問題への認識が高まる
黄砂は中国大陸内陸部のタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠や黄土高原などの、乾燥・半乾燥地域で、風によって数千メートルの高度にまで巻き上げられた土壌・鉱物粒子が偏西風に乗って日本に飛来し、大気中に浮遊あるいは降下する現象です。
風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、発生源地域周辺の農業生産や生活環境にしばしば重大な被害を与えるばかりでなく、大気中に浮遊し、黄砂粒子を核とした雲の発生・降水過程を通して地球全体の気候に影響を及ぼしています。
また海洋へも降下して、海洋表層のプランクトンへのミネラル分の供給を通して海洋の生態系にも大きな影響を与えていると考えられています。
黄砂現象は従来、自然現象であると理解されてきましたが、近年ではその頻度と被害が甚大化しており、急速に広がりつつある過放牧や農地転換による土地の劣化等との関連性も指摘されています。そのため、黄砂は単なる自然現象から、森林減少、土地の劣化、砂漠化といった人為的影響による側面も持った環境問題として認識が高まっています。
車に独特の黄色い汚れ、「雨ジミ」をもたらす
中国はその土地が黄色く、土が溶け込んだ「黄河」と同様に、巻き上がった砂も、「黄砂」と呼ばれます。黄砂は「ケイ酸塩」を主成分として、「炭酸カルシウム」「炭酸マグネシウム」などのミネラルでできており、4ミクロン前後の超微粒子の砂が日本全体に降り注ぎます。またその一部は黄砂の微小な粒が核となって上空の水分を凝結させて雲となり、水粒の水分の体積が一定の大きさを超えると「雨」となって降って来ます。
雨粒の核となっている黄砂は、ほとんど砂粒のまま雨と一緒に降って、例えば、露天駐車してある自動車をひどく汚します。雨にならなくても、黄砂は舞い落ちてきて車を汚します。
黄砂で汚れた車は黄色い独特の汚れ方をするので、多くの人が知っているところです。
黄砂を含んだ雨にはもう一つの害があります。雨に混じった黄砂は、ほとんどそのままの状態で雨と一緒に降ってきます。
しかし、一部分は水分である雨粒の中に溶け出して、雨粒自体がミネラル分の多い水になります。このミネラルが含まれた雨が自動車にかかり、そのまま蒸発すると、自動車の塗装上に「雨ジミ」を発生させます。
頑固なシミ、さらに撥水を阻害することも
この現象は「水道水」に含まれているミネラル分が塗装上に「水シミ」を作るのとまったく同じ構造であり、大変始末が悪いもの。特に、車に無機質であるガラスコーティングが施工してあると、その無機質の「雨ジミ」は、無機質のガラスコーティングと同化してこびり付き、ポリッシャーで削り落とさなくては落ちない頑固なシミになってしまいます。
黄砂を核に持ち、黄砂のミネラル分が溶け込んだ水は、基本的にはアルカリ性です。アルカリ性の黄砂を含んだ雨がかかると、塗装に弱い洗剤をかけたような状態になって、水はじきを阻害します。どんなに優れた撥水性のコーティングが施してあっても、しばらくは撥水が低下したように見えてきます。
しかし、中国の上空を渡ってくる間に、上空の亜硫酸ガスが黄砂に付着し、雨粒になった時、水に溶け込むと硫酸や硝酸となって酸性になります。上空のガスの状態、黄砂への付着の具合によって黄砂を含んだ雨が、アルカリ性になるか酸性になるかが決まるのです。
酸性ガスが多かった場合は、黄砂を含んだ酸性雨となって、雨ジミが塗装上にひどくこびり付くだけでなく、酸性物質が塗装の表面を侵食して塗装内部にまで損傷を与えることがあります。
いずれにしても、黄砂を含んだ雨は、黄砂自身が車を直接的に黄色く汚すだけではなく、雨粒の中にミネラル分を溶かし込むことによって、塗装そのものにも甚大な害を与える可能性を持った厄介な存在なのです。
キーパーコーティングの「犠牲被膜」が水シミの固着を防ぐ
その黄砂の悪影響を解決する方法として、「水シミ」を根本的に解決したのがキーパーコーティングの犠牲被膜です。特にクリスタルキーパー、ダイヤモンドキーパーは、水に含まれたミネラルが水シミとなって固着につながることを根本的に防いでいます(特許公開中)。
過去においては到来そのものが珍しかった黄砂だったので、車に水シミを作ったとしても、単発的に付くだけで、目立つ前に何回かの洗車で落ちてしまっていました。
しかし、日常的に黄砂がやってくるようになると、洗車などで落ちてしまう前に、また付着して蓄積し、頑固な汚れである水シミとして目立ってくるようになりました。
黄砂が付着したらこまめに洗うこと。さらにクリスタルキーパーなどのキーパーコーティングをして黄砂が塗装にこびりついて、水シミになるのを防いでおくことをおすすめします
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